「どうしたら…美鈴ちゃんの涙を俺が止める事ができる?」
「こ、浩太君…」
「どうしたら美鈴ちゃんが辛い顔しないで済むんだよ。」
「だ、大丈夫だよ…浩太君。私は平気…だから。」
「やだ。離してやんない。」
「浩太君…」
「美鈴ちゃんの涙が止まるまで…こうさせてよ?俺がいないと思って泣いたら良い。」
「浩太君…」
「辛い時は我慢しないで良いんだ。」
浩太君の声はいつもより優しい。
そして
浩太君の声は何だか切なく感じた。
気付いたら、涙はどんどん溢れ出て来た。
陸斗君、ごめんね。
こんな事でいちいち、泣いちゃってごめんなさい。
まだ好きでいて、ごめんなさい…。
観覧車を降りると私はまた普通に戻る。
だけど
「陸斗、今夜はどうするの?」
「ああ、食事会だろ?もちろん行く。」
陸斗君と夏穂さんの姿を見ると、やっぱりすごく辛い。


