それでも、キミが好きなんだ




「で、デート?」


デート…なのかな。


「しかも、相手は美鈴ちゃんだから嬉しい。」


…え…


「嬉しい?」


「鈍い美鈴ちゃんにはまだ教えてやんない!」


浩太君は笑って言う。



うっ…





「もうすぐ、頂上だな。」


「う、うん!」


浩太君と話しているとあっという間に頂上が近付く。



夏穂さんと陸斗君は…


気にしちゃだめなのに。



「美鈴ちゃん、頂上…」


…え…


陸斗君から夏穂さんにキスをしてるのを私は見てしまった。



辛いなら見なきゃ良かったのに。


苦しくて胸がかなりひどく痛み始める。



「美鈴ちゃん…?」


…あ…


気付いたら涙が流れてた。



泣いちゃだめって。


普通にしなきゃって決めてたのに。



「…っ…」


浩太君が私を抱きしめる。



…え…