それでも、キミが好きなんだ



だけど



私は私達の後ろの観覧車に乗る陸斗君達を見つめる。


み、見ちゃだめなのに。



「そんなに気になる?」


「…え?」


私は浩太君を見る。


「美鈴ちゃんは陸斗しか見えてないね。」


「そ、そんな事…」


「たまには他の男子も見てみたら?」


浩太君は私にかなり顔を近付け、言う。


…え…


「浩太君?」


真剣な瞳…。



「あ、景色!綺麗だよ!さっきのジェットコースターも見える。」


私は景色を見て言う。



ふ、普通にしなきゃ。


今日は浩太君といると何だか変な感じがする。



「また、はぐらかす。まあ、良いけど。」


はぐらかす?


「景色、綺麗だね!」


「うん。それに、気分すっげー良いな。」


「浩太君、観覧車好きなの?」


私は浩太君に聞く。


「いや、女の子と観覧車に乗るなんてさ。こういう普通のデート憧れてたんだよね。」