それでも、キミが好きなんだ




「観覧車乗ろうよ!」


「桜沢、大丈夫か?」


夏穂さんが言うと陸斗君が私に聞く。


「大丈夫だよ!」


観覧車なら多分大丈夫!



「じゃあ、行こうぜ。」


私達は観覧車の列に並びに行く。



あ、そっか。


陸斗君と夏穂さんは二人で乗るんだろうなぁ。



普通、二人ずつだし。


だめだなぁ。



すぐ落ち込んじゃう。


それは仕方ない事なのになぁ。





「じゃあ、美鈴ちゃんと浩太で先に乗っておいで!」


夏穂さんが言う。


すると


「桜沢っ。」


…あ…


陸斗君は何か言いたげ。


「陸斗君?」


「や、何でもない。」


どうしたんだろ。



私と浩太君は先に観覧車に乗り込む。


「観覧車とか久々だ。」


「うん!」




何だか落ち着かないなぁ。


浩太君と二人っきりになるのって初めてかも。