それでも、キミが好きなんだ




「美鈴ちゃん…」


「陸斗君が好きなのは夏穂さんだもん。そんなの分かってる。いちいちそれを気にしちゃだめなんだよ。私は分かってて…陸斗君を好きでいるんだもん。」


「美鈴ちゃん…」


「それに、私は夏穂さんの事も好きだから。憧れてて、人として好き。だから…」


二人の別れを願うような私にはなりたくない。



そんな私になっちゃうのは嫌なんだ。


だから

ただ、陸斗君を見てるだけ。


友達として側で笑っていられたら良いんだ。



良いんだ。


彼女がいると分かってて、陸斗君を好きでいるんだから。



それでも、私は陸斗君が好きだから。


陸斗君にはずっと伝えられないけど。



この気持ちを大切にして行こうって。





「お待たせ!」


しばらくすると、二人が戻って来た。



「次、どこ行くんだ?」


陸斗君が夏穂さんに聞く。