それでも、キミが好きなんだ




夏穂さんに気使わせちゃうと悪いもん。


「ありがとう!じゃあ、そこのベンチで浩太と待っててね!」


「はい!」


私が言うと夏穂さんは陸斗君の手を引き、乗り物に乗りに行った。


――ズキン。


い、いちいち気にしちゃだめ!

二人は付き合ってるんだし。


私、上手く笑えてる。


大丈夫、だよね?



「嘘ばっか。」


…あ…


「こ、浩太君!」


「本音は二人で行かないで欲しいんだよね、美鈴ちゃんは。」


「わ、私…」


「本当は陸斗が夏穂さんと仲良くするの嫌なくせに。」


――ズキン。



分かってる。


本当は心のどこかで思ってる事だって。



陸斗君の幸せを願いたいのに。


私は陸斗君に友達以上を期待したくないのに。



「…っ…」


「美鈴ちゃん、泣いても良いよ?」


「な、泣かない!」