それでも、キミが好きなんだ




陸斗君と夏穂さんが仲良く話してる姿を見るだけで苦しくなる。


諦める方法を考えても、難しいと分かって。



泣きたくなっても堪えて。


心の中の私は泣いているんだ。



陸斗君を好きでいたいと思っても、辛いだけなのに。


切ない恋がただずっと続くだけなのに。



陸斗君と夏穂さんはかなり楽しげに話す。


夏穂さんと話す時の陸斗君はいつもより優しい表情で。



友達に見せる表情とは違うんだ。


それがすごく辛い。



友達と彼女では大きな差がありすぎる。


分かってたはずなのにな。



今日はそれをすごく実感して胸はズキンと強く痛み続けるんだ。


「陸斗、次はあれ乗ろうよ!」


「あれ、ちょっと落ちるだろ。」


「そ、そっか!」


…あ…


「だ、大丈夫です!」


私は夏穂さんに言う。


「美鈴ちゃん…」


「二人で乗って来て良いですよ?私、待ってますから!」