「何の話?」
夏穂さんが私に聞く。
「な、何でもないです!」
陸斗君、夏穂さんには言いづらいのかも。
「そっかぁ。よし!行こ、陸斗!」
夏穂さんは陸斗君の手を握り、言う。
――ズキン。
やっぱり、モヤモヤする。
「美鈴ちゃん。」
「ん?」
私は浩太君を見る。
「やっぱり、陸斗と二人にしなきゃ良かった。」
「…え…」
「美鈴ちゃんがどんどんあいつを好きになるのが嫌だ。」
浩太君…。
「私は大丈夫だよ!」
確かに辛くて切ないけど…
「そうじゃなくて。」
「ん?」
「俺自身が嫌なんだよ。」
「…え…」
浩太君…?
「は、早く行こう!」
浩太君の顔は真っ赤にしながら私より先に歩き出す。
浩太君、どうしたのかな。


