それでも、キミが好きなんだ




「本当言うとな。」


…え…


落ち着いて見えたのに。



夏穂さんの前だからかな。


「む、無理しなくて良いんだよ?陸斗君。」


「お前が言うな。」


「だ、だよね。」



みんなに心配かけちゃったなぁ。


「ほら、何か飲め。」


陸斗君は私に水を渡す。



り、陸斗君の飲みかけ…


私はドキドキしながら水を飲む。



「少しは落ち着いたか?」


「う、うん。何とか…ありがとう。」


私は陸斗君に水を返す。


「今日は無理に誘って悪かったな。」


陸斗君が言う。


「だ、大丈夫だよ!」


「あいつさ、しばらく遊べなくなるんだ。試験前は勉強に集中で、試験後は夏休み中ずっと別荘。寂しいからみんなで遊びたいんだと思う。」


「そ、そっか。」


陸斗君はいつだって夏穂さんの気持ちをちゃんと理解してるんだろうなぁ。