それでも、キミが好きなんだ



「今日はね、電車に初めて乗ってみるよ!」


夏穂さんが言う。


…え…


「電車、二人とも初めてなんですか?」


浩太君が夏穂さんに聞く。


「デートの時はあまり遠出しないし。バスや車しか使った事ないかな。」


夏穂さんが言う。


そ、そっか。

やっぱり違うんだなぁ。


「乗り方は昨日、執事に聞いたから何とかなる。」


陸斗君が言う。


し、執事さんって…


「さっさと切符買うぞ。」


「行こ、陸斗!」


わ、私も切符買わなきゃ。




「へぇ、こうやって抜けるもんなのか。」


陸斗君は切符を買い、改札を抜けると言う。


り、陸斗君…



私は切符を入れ、改札を抜けようとする。


すると



――ビクッ。


「ふぇ…」


「美鈴ちゃん!?」


か、改札にはさまってしまった!


「たまにいるよね。改札にはさまる人。」


浩太君が言う。


うっ…