陸斗君と夏穂さんは
やっぱり違う。
昔からずっと一緒だから
深い絆があるんだなぁ。
お互いを信頼してるんだと思う。
「だから、いちいち気にするな。俺は彼女も友達も大切にしたいし。」
陸斗君が言う。
「う、うん。」
どんなに仲良くなっても
彼女と友達は大きく違う。
そんなの分かってるはずなのに。
近付けば近付くほど、陸斗君と友達以上になりたいと思う私がいる。
そんなの無理なのに。
私は陸斗君の友達。
それ以上は望んじゃだめだよ。
「…じゃあな、桜沢。」
「う、うん!バイバイ。」
私達は女子寮の前で別れる。
友達だから陸斗君とこうしていられる。
分かってるはずなのになぁ。
私の心はただ切なくなるんだ。
諦める方法は見つからなくて。
ただ、
私は想っているだけの恋をしているんだ。