こ、転んでしまった。
やっぱり
人気者だなぁ。
渡したくても、渡せない。
だめだめだなぁ。
だけど
「どいて。」
…え…
「大丈夫かよ?」
陸斗君は私が転んだ事に気付いたみたいだ。
「だ、大丈夫…」
陸斗君は私を起き上がらせる。
――ドキッ。
「どうした?桜沢。」
「あ、あの…」
ちゃんと渡さなきゃ。
「お、お誕生日おめでとう!」
私はそう言ってプレゼントを渡す。
「ありがとうな…桜沢。」
陸斗君…
喜んでくれるかな。
「後で開けて見るな。」
「う、うん!」
私なりの精一杯のプレゼント。
友達なりの精一杯。
――放課後。
「陸斗、帰るぞ!」
「おぅ。」
陸斗君…帰っちゃう。
プレゼントへの反応がすごく気になるよ。


