「好きになってくれてありがとう。」
陸斗君は優しく笑って言う。
…っ…
陸斗君はずるい。
こんな時だって、私に優しい。
そんな陸斗君だから…私は好きになったんだ。
大好き…なんだ。
「だけど、避けられると…悲しいんだぞ。桜沢。」
「へ?」
「お前に避けられて、すっげー悲しかったんだぞ。」
「ご、ごめんなさい!」
「もう…避けるなんてやめろ。」
陸斗君は私の涙を指で拭き、言う。
「う、うん!」
私…
やっぱり無理みたいだ。
陸斗君を避けるなんて。
だって
離れれば離れるほど、苦しくて切なくて。
結局
陸斗君をすぐに諦めるなんて無理だった。
だから
「あ、明日から、ちゃんと友達として頑張る!」
私は陸斗君に言う。
「ああ。」
陸斗君は笑う。
もう、無理に諦めようとしない。