…っ…


私は陸斗君から逃げるように教室から出ようとする。



だけど


「桜沢!」


――ダンッ


…え…


――ビクッ。


陸斗君はいきなり私を壁に押し付ける。


「り、陸斗君?」


お願いだから

離れさせて。



好きが大きくなっちゃう前に。


陸斗君への好きが
なくなるまで…。



「何で避ける?」


「…っ…」


「浩太とは話すのに、何で俺の事は避けるんだ?俺が嫌いになったのか?」


陸斗君は怒った表情で強い口調で私に聞く。


身体が震える。


「桜沢…」


陸斗君、怒ってる。

私が避けたから。


傷付けちゃったんだよね。



けど


私……


「…っ…」


気付いたら、私は泣いていた。


泣いちゃだめなのに…



陸斗君に気付かれたくないのに。


本当の理由は言っちゃいけない…。