素っ気なくて、短い短い電話だったけど学校以外で先生の声が聞けた私は嬉しくってそれを思い出した今でもニヤニヤしちゃう。



「おい…」



教室の前にいつの間にか立ってた私は、声を掛けられて振り返った。



「邪魔なんだけど?」



涼太君だと確認した私は、フンッてそのまま教室に入った。


先生かと思ったじゃん。


席に着くと



「お前、昨日すげかったな~?」


「な、何が!?」



目の前の席に座ってきた涼太君の言葉に、私はビクッてなって返事を返した。



「調度、お前見掛けてさ~、そしたら北沢に…」


「ぬわぁ!?」



私は、慌てて涼太君の口を塞いだ。



「み、見たの!?」


「見た」


「聞いたの!?」


「聞いた」



ニヤニヤしてる涼太君に



「何でも言う事聞くんで!!誰にも…」


「言わねーよ、俺言いふらすの好きじゃねーし…」



良かったー…

かなり安心した私の表情に、涼太君は



「百面相…」



って笑いながら言った。



「まぁ、野高の事頼むな~」



手をヒラヒラさせながら、涼太君は自分の席に戻って行った。