「あー……」



涼太君の声に、私が見ると



「ま、頑張れ」



私が落ち込んでるのが分かったのか、涼太君は苦笑いしながら言ってきた。



「涼太君のせいだよ」



私は、そう呟くともう一回蹴飛ばして教室に荷物を取りに行った。


はぁ……



恋って案外疲れるものなんだね。



恋をしたあの日から、先生の事ばっかり考えてる。



朝、起きてから
学校で姿を見た時
姿が見えない時
帰りのホームルーム
家に帰って寝るまで



私、妄想ストーカーみたいになっちゃってるよね…。


教室の荷物を取って、ふと教室から外を見ると散り掛けた桜の木の下に立ってる先生の姿。



「先生……」



先生と話すチャンス!


急いで荷物を持って、先生のとこに行こうとした。


でも、止めた。


このまま、先生を見てよう。



だって、先生は今一人がよさそうだから…



悲しげな表情の先生。



あんな姿、初めて見た。



目だけはいい私は、先生を二階の教室の窓越しでそっと見つめた。