「涼太君…葵衣の事…」
「わぁわ~!!」
私の口は、涼太君の手で塞がれた。
「それ以上は言うな!どして分かったんだよ!?」
「女の勘?」
分かるよ!
私みたく、気になっちゃうよね。
私も、先生彼女居ないか気になる。
「だ、誰にも言うなよ!?」
「分かってるよ~」
慌てる涼太君に、私は笑いながら肩をポンッて叩いた。
「一目惚れ?」
「ま、まぁ…」
私と一緒、一緒。
一目惚れ、そんな事ってやっぱりあるよね?
照れ臭そうに、バツの悪そうな表情をしながら涼太君は答えた。
「どして葵衣?」
私は、小声でコソッと問い掛けると
「何か、姉御肌?う~ん、雰囲気とか見た目とか見ててドキッとしてさ………って、何でお前にそんな事……」
「………………」
「何だよ!!」
分かる、分かるよそれ!!
私は、何も言わずに涼太君の肩に手を置いて静かに頷いた。