「行きたいところがあれば、連れていってやる。バイクも教えてやるよ。」

慎平は照れ隠しなのであろう、ニット帽を深く被り直した



「これからは俺が昼飯用意してやるよ!
三好も尼寺心配してたし、一杯食えよな!」

健太郎はあれ以来
三好と一緒にいるところをよく見かけるようになった


「はい!」

尼寺の明るい声が響く


「じゃ、とりあえず
早く退院しろな。

そしたら
ツーリング連れていってやるよ。」


「本当に!!
じゃあ、私も銀狼の…」


「バーカ。
退院祝いだよ。」



「え〜!?」



俺らの笑い声で満たされた病室は夕暮れに染まっていった