その時

初めて
尼寺の頭を撫でる俺の手が震えていることに気がついた



心配じゃなくて



本当は…



怖かったんだ…



尼寺に何かあったら…ってずっと


怖かった



「…ごめんなさい。

みなさん…本当にごめんなさい。」


尼寺が言うと
メンバーの顔が緩む


「これからは、まず相談してくださいね?
俺達のほうが情報網はありますから。」

恭介はメガネを押し上げながら見たことないくらい優しく微笑み



「メアド交換しよう。」

広樹は恥ずかしそうに携帯を取り出した