純愛爆走族

そこからの数分は
三好が一方的に殴られてるだけだった


でも
そんなに殴られても

ぼこぼこにされても

三好は立ちあがった

倒れて
立ちあがって


倒れて
立ちあがって


その場にいた全員が
三好の姿に息をのんだ


「な、何なんだよ…こいつ。」


柳井の顔には
焦りにも似た恐怖が浮かんでいる


その刹那
静まり返った空間に
尼寺の声が響いた

「三好さん!
ファイヤー!!!」

血の滲んでるような
掠れた声

それでも
熱いくらいに
尼寺の気持ちが三好を奮い立たせた

そして
三好が柳井の両足を担ぎあげ

「あああああぁぁ!!!」

掛け声とともに
そのまま柳井の足をすくい押し込む

ガン!!

鈍い音が響いた

柳井は
地面に後頭部を強打したようで
痙攣しながら
白目を向けていた


突然の急展開にその場にいた全員が
立ちつくしていると


「そこまで!
勝者!三好妙子!」


立花の声が高らかに響き
三好の勝利を全員に告げた