純愛爆走族

駆けつけた廃墟で
吊るされた尼寺を見た時

頭の中の何かが
キレた気がした


全身から怒りがこみ上げ
本能のままに
こいつらを全員殺してやりたい
そう思った


敵の人数は50人を軽く超えていたが
そんな事はどうでもよかった


こいつらを
一人残らず消してやる


「てめぇら…
俺たちの仲間に手ぇ出して
ただで済むと思ってんのか?

あぁぁ!!?」


バイクから降りて
睨みを利かせる


「落ち着いてください。
矢口さん。」


恭介が肩に手をかけた

「尼寺が人質に取られてる今は
下手に責めるのは得策じゃありません。」

恭介の言葉はもっともだった
だが
怒りを完全に抑えることはできない


「銀狼って言ったってたった5人!
私らに勝てると思ってんのかい?!」


パピヨンは一機に展開して
俺達を囲みこむ


手には角材や金属バット
特殊警棒や改造スタンガンが握られている


「女が物騒なモン振り回すと怪我するぞ?」

鼻で笑ってやると
女どもが一斉に身構えた