純愛爆走族

「じゃあ、どうして!
どうして、俺が聞いた時
全部話してくれなかったんだよ!?」


健太郎の怒号が飛んだ


「怖かったんです!!

まだ
あの人たちの仲間が残っていた。
私は…
またいじめられる日々に戻るのが怖かった…。

それだけのために
尼寺さんを危険な目にあわせてしまった…

私を助けてくれたのに…
私は…私は…。」


とうとう三好は床に座り込んで泣き崩れた
静かな教室に
三好の泣き声が響く




俺は静かに口を開いた

「あんたは危険を尼寺に伝えようとした。
そして…今も
俺たちに尼寺の事を話してくれた。

それだけでも
立派な事だと…俺は思う。

自分が最低だ…とか思う前に
出来ることを全部やってみろよ?

まだ
あんたにできること…
やらなきゃいけない事が残ってるだろ?」


やるせない気持ちはあった

三好を一発殴りたいとも思った

それでも
三好の尼寺に対する気持ちだけは
くんでやりたかった