振り返ることができたのは大雅だけ。


「黙ってても男がよってくるんだもんな、お得意の「やめてっ!」



秀の言葉を遮るようにあたしは大声を張り上げた。



「やめて。大雅行こう」



今度はあたしが大雅の腕をひっぱる。




「おじょーさまだからそいつも一緒にいるに決まってる。せいぜい友達ごっこしてろ」




むかつくむかつくむかつく。




「……行こう」



もう何も聞きたくなかった。




耳を傾けるのも嫌だった。



でも大雅の顔を見るのも怖かった。







あたしは、また、友達を失うのかな?