背筋から嫌な汗が流れた気がした。
実際は絶対にそんなことないのに。
「……しゅ、う?」
カタカタと震えだす肩を手で抱き締めたい。
でも、それはこいつに弱みを見せるみたいで気に食わない。
「やっぱり亜美だ。久しぶり」
「久しぶり、だね」
目を合わせられない。
なんだかんだであいつらといれば楽しくてこいつのことを忘れていた。
あたしは今、この世で一番会いたくないやつに会ってしまった。
柊秀(ヒイラギシュウ)
あたしの元彼。
たった2行であたしに別れを告げた人。
今までで一番好きだった人。
もう忘れたい人。



