ってかずいぶんと似合わない組み合わせだな。大雅と女の子。


まるで犯罪。


言ったらはたかれるから言わないけど。


「虎にぃ、ママが待ってるから行くね!バイバイ」


「はいはい」


大雅はめんどくさそうに手を振った。


顔、笑ってんぞ。


嬉しいくせに、照れちゃって。


「あの子は?」


「俺が働いてる店のオーナーの子供で、ケーキ屋の常連」


なるほど。


これで優しい保育士、優真君ではなく、大雅に懐いていた訳が分かった。


「お前案外小さい子とか動物に好かれるよな」


大翔が思い出したように言った。


「意外……」


「あ゛?」


「なんでもありません」


この態度でどうして小さな女の子や動物に好かれるんだよ!


「とりあえず、俺は腹が減った」


「まぁ、そうだな」


優真君がエプロンを外しながら言った。


まだしてたんだね。


「え?もしかして……」


「お前、何のためにここに来たと思ってんだよ」


大翔が呆れている、


いつものことか。


「無理無理無理無理無理無理無理無理」


「行くぞー」


鬼だ。


鬼がいる。