失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




「大雅って奴は最近までバイト生活してたんだけど、ちゃんてアパレル関係の会社に就職して、生き生き働いてる、らしい」


あんまり興味はないらしい。


そっかぁ、ちゃんと働いているんだね。


生き生きがあんまり想像できない。


「次は?」


「次は、んー。優真君」


いつだって忙しそうな優真君。


今だってきっと忙しいに決まっている。


「あぁー、あいつは確か保育士やってるぞ」


一言かよ。


でも安心した。


「やっぱ人気者だろうなぁ……」


「あのあいつらの中で珍しいくらいの常識ある奴だろ?」


「そうそう!」


武にもそんな認識があったのね。


「確かに一回見かけたけど、子供がたかりまくってた」


見かけた、ねぇ。


どこで見かけたのかしらないけど、武が保育園を見かけるなんて場面、なかなかないと思う。


多分見に行ってくれたんだろう。


優真君だけじゃなくて、大翔も大雅も颯太も陽も。


興味無いとか、めんどくさいとか、メリットがないとかいうけど、なんだかんだで武はみんなをあたしがいない間見守っていてくれたんだ。


それを言わないのが武。