でもあたしにも“今”があるように、あいつらにもあいつらなりの“今”がある。
それはきっとあたしが干渉できないもので……
「何をそんなに迷う必要があるの?亜美と陽君だっけ?両想いなんでしょ?」
「あたしはまだ好きだよ」
そう、あたしは。
あの時から5年もたっている。
人のキモチが変わらないなんて自信を持って言えない。
「んー、とにかく見てみるだけでも行ってきなさい」
何か変わるかもしれないよ。
例えば陽の隣で知らない女の子が笑っていたとしよう。
しかも超絶可愛い。
そしたらあたしは何て思うのかな?
悔しいって思うのかな?
悲しいって思うのかな?
それても、お似合いだぁ、って思うのかな?
もしかしたら、彼女可愛いなぁかな?
あたしのこと、忘れてないかな?
シュークリームばっかり作ってて、あたしのこと、忘れてんじゃないだろうな?
ありえるから怖いんだよ。
みんなに顔忘れられてたら、あたしたぶん立ち直れない。
町中でふとみんなにあったらどうしよう、とか、くだらないことを考えてみる。
嫌だな。



