何も考えないで行動するのは春の役目だから。


あたしの役目ではない。


「一応、見に行くつもりではあるんだけどね……」


「見に行くだけかよ」


「一応は……」


「「「駄目」」」


今度は亜美以外がハモった。


「と、言われましても……」


「わかった」


突然早紀が声を上げた。


「何が?」


春がいつの間にかピザを食べながら聞いた。


おい、お前、真剣味が足りないぞ。


「何が?」


「亜美の考えている事」


マジか。


「邪魔したくない。そうでしょ?」


マジか。


「何でも分かっちゃうのね……」


さすが幼なじみ。


「「は?」」


意味が分かってない奴が二名。


空気をぶち壊すなよ。


「まぁ、あんたらはいいんだよ」


いいのか。


なぜか納得した二人は新しくピザを食べ始めていた。


「“今”を邪魔したくないって感じ?」


本当に何でも分かってるんだ。


関心するわ。


「見てるだけなんてどうせ満足できないよ?亜美なら」


それは言えてる。きっと満足できない。


声をかけたくて話したくて仕方なくなる。