春を見るみんなの目が優しくなった時、春が少し照れた。
今頃?
「亜美はどうなの?携帯に大事そうにあいつらとのプリクラ貼ってあるの知ってるけど」
ここでこんなふうに話を振られるとは思わなかった。
「あたしは……」
「もしかしなくてもまだ会いに行ってないね」
「う、ん」
全員からため息が漏れた。
次のターゲットはあたしか。
なんてのんきに考えてた。
「真っ先に会いに行くと思ってた」
早紀にまで言われてしまった。
「……なんていうかね、うん」
はっきりしなくて申し訳ない。
でも、みんなに分かってもらえるかな?“邪魔したくない”って言う気持ちを。
「どうせ亜美のことだから、余計なこと考えてんだろ?」
余計なこと……かどうかはわからない。
まぁいろいろ考えているのは間違いではないけどね。
「何も、考えていないと言えば嘘になる」
「だろうね」
長い付き合いだもんね。
なんでもお見通しみたいだね。
「これは亜美の悪い癖だ。何も考えるな。俺みたいに」
「それはちょっと……」
無理がある。ってか嫌だ。



