失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




「あ、俺報告あった」


スーツ姿が5年前より似合うようになった春はお酒をちびちび飲みながら言った。







「俺、結婚しちゃいます」


「「「はぁ?」」」


その場にいた春以外の声が重なる。


「おぉ!揃った」


感心してる場合じゃないよ。


「聞いてない!」


武が怒るのもわかるよ。だってそんな大事なこと、いきなり言われたんだから。


「まぁ今言ったってことで勘弁」


なんと軽い。


でもあたしは気が付いた。


春の浮かない顔に。


「あんたもしかして……」


「あら?気が付いちゃった?」


望まない結婚だったんじゃないでしょうね?


今時……って感じもするけど無い話ではない。


あたしは5年前のあたしと武を思い出した。


だからめちゃくちゃ心配した。



なのに、春は春だった。






「相手が16なんだよね。俺ロリコンと間違われないか不安」


そこか!


「若いね……」


「まったくだよ。俺おじさんじゃん」


まぁ、あたしたちだってまだ24かそこらじゃないか。


「手、出しにくくて」


あんたは一生悩んでろ。