失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




母のお墓を去った後、あたしはすぐに家に戻った。


今日の夜は、久しぶりに、幼なじみが集合するのだ。


こうやって集合するのはあたしがお母さんの死についてちゃんと知ったあと以来だ。


アメリカにいる間も武と春には何度か会えたが、早紀には全然会っていなかった。


連絡もなし。


なんとあっさりした友情。


アメリカにいる間は自分のことはほとんど自分でしていた。


そして甘えていたことを思い知った。


自分ではかなり自立している方だと思っていたが、それは間違いで、わからないこと、できないことがたくさんあった。


でもそれも乗り越えてきた。


今では自分の準備くらい、一人でできる。


当たり前のことなのかもしれないけどね。


「……よしっ」


鏡を見て、変なところが無いかチェック。


もうあの呪文はやめた。


あたしはもう、自分に“深瀬だ”と言い聞かせなくてもよくなった。


そんなことしなくたって、あたしがあたしであることにはかわりないし、今まで出来ていた事が呪文が無いからといってできなくなるわけ無かった。


結局あたしは、あの言葉たちに甘えていたんだ。