昼間から柄の悪い連中を連れて亜美は街を歩く。
「もっと楽しそうに歩いてよ」
「あー、楽しい」
「棒読みかよ」
大雅の声に、やる気と生気はない。
そして着いたケーキ屋さん。
まっさきに入っていったのはもちろん陽。
綺麗な茶髪を風が揺らしている。
あぁ、あんなにケーキ屋が似合うヤンキーはきっとあんただけだよ。
席にみんなで仲良く座って、いざ注文!ってときに陽はやってくれた。
「とりあえずシュークリームを全種類」
居酒屋でビールを頼むみたいにシュークリームを全種類頼みやがった。
「シュークリームを全種類、ですか?」
店員がびっくりしてます。
「はい」
「か、しこまりました」
怪訝な顔をして店員は去っていった。
まぁ、そうなりますよね。
「今のあきちゃんの困った顔かわいかったなぁ……」
大翔の名前チェック入りましぁ!
「あんたネームプレート読む早さ尋常じゃないね」
「照れる」
「ほめてねぇよ」
この店にシュークリームが何種類あるのかは知らないが、みんなでそれを食べることは決定みたいだ。



