ただ言えることは……
「……離れたくないっ!」
本当は離れるのがすごく怖い。
みんなに忘れられるんじゃないかとか、いろんな不安があたしを覆おうとしてくる。
「でも、アメリカは行け。亜美が自分で決めたんだろ?今のままじゃいけない、って自分で決めたんだろ」
そうだ、アメリカに行くのを決めたのはあたし自身だ。
「う、ん……」
「だったら行ってこい。俺たちは応援してっから。ずっと」
陽の言葉が温かくて、優しくて……。
「大体、俺らが亜美を忘れられるわけねぇだろ」
「大雅……」
「後にも先にも、お前よりぶっ飛んだ奴に会うことはねぇよ」
そこかよ。
まぁ、どんな形でも覚えていてもらえるならそれでいいけど。
「俺は亜美が大好きだから、だから絶対に忘れない。亜美は俺が自分から好きになった最初で最後の女だから」
「颯太……」
あたしは颯太の顔をよく見ることができなかった。
どこかうしろめたいんだ。
あたしは颯太の気持ちに答えてあげることができないから。
そしてそれを颯太は分かってる。だから冗談っぽい言葉で愛を伝えてくれた。



