しばらく無言の空間が出来上がる。
「亜美ってそういうとこがかわいいよね」
「ありがとう」
「いや、誉めてないよ」
颯太が滅多にあきれないのに呆れられた。
「あたしがアホなのはみんな知ってるはずだけど?」
「知ってるけど……、それとこれは違うっていうか……ねぇ?」
ちょっと優真君、あんたにはっきり言われると心が折れる。
「ねぇ?って言われても、ねぇ?」
大翔、ねぇ?を回すなよ。
颯太が困った顔してんじゃないかよ。
「陽に任せた」
「え?俺?」
何?嫌なの!
ねぇ?をたらい回しにされた亜美は若干傷心中。
「……んー、最終的に、亜美がアホって結果になるんだけど聞くか?」
「前半は気にしない。後半だけをピックアップして……。もちろん聞くさ」
前半は忘れよう。
「お前、俺達がいきなり何も言わずに全員居なくなったらどうする?」
「深瀬の力を最大限に活用して捜し出す」
「……質問を変える。俺達がいきなり何も言わずに全員居なくなったらどんな気持ちになる?」
――気持ち
前に大翔にも同じようなことを聞かれた。



