失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




「はじめはなんかとんでもないもん連れてきたなぁと思ってたんだ」


おいこら、なんなんだ。


「しかもシュークリームはねぇ」


あのときは“いらない”って行ったくせに根に持ってんだね。


「高いシュークリーム……」


ちょちょちょちょ!
完璧に根に持ってんじゃん。


「ごめんなさい」


「別にそれはどうでもいいんだよ」


よくないよね。


目がうるうるしてますよ。


頼むから泣かないでください。


「大翔が、お前を連れてきた時、スゲー驚いた顔してた」


あのにやにやとだらしない顔のどこが驚いた顔だったんだ?


「だから、俺はお前に興味を持った」


関連性がないんだけど。


「俺はただ、金持ちで、だれもが名前を知ってるようなお嬢様にあんなとこで会ったことに究極に驚いていた」


嘘だ。


顔がふざけてる。


「次の日も会えるように、お前は都合のいい事情してたし」


確かにあの日フラれましたけど。


それを“都合のいい事情”って…………どうなのよ。


なんともなっとくいかない会話なんだけど。