失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




頼ってばっかりのあたしじゃ、誰も笑顔に出来ないの。


「それで、本当はみんなに何も言わないで行くつもりだった」


そう言ったときの三人のびっくりした顔。


なかなか見れないものだ。


「でも陽にバレちゃって……」


「それで連絡もなしに来なくなったってわけだね」


優真君があたしの言葉を引き継いでくれだ。


あたしはそれに頷いた。


「それで大翔が家に来てくれて……」


「は?なんも聞いてないぞ」


「言ったらついて来ちゃうだろ?颯太なら」


「当たり前だ!」


「それを避けたかったんだよ」


ダルそうに座っていた大翔が立ち上がって、一歩颯太に近付く。


「は?どういうことだよ」


「お前、忘れてないか?こいつがめちゃくちゃ金持ちなの」


「それはっ……!」


颯太が言葉につまる。


あぁ、これは完璧に忘れられてたパターンですね。


「俺だって会えるかわかんなかったんだ。俺が入れない場所に、一般人のお前が入れると思うか?」


「……」


颯太が下を向いてしまった。


分かっているんだ。


自分なら入れないってことを。