大雅と颯太と優真君がいまいち状況を理解していないという顔をしながらも真剣に話を聞いてくれる体勢になった。
「まずは謝るね。みんなに連絡もなく避けるみたいな感じになっちゃって」
あたしを心配したようなメールも、電話も。
全部無視した。
まずはそれを謝らなければならない。
「その理由、今話してくれるんだろ」
いつもとは違う冷静なもの言いの大雅。
ひるみそうになる気持ちを一生懸命奮い立たせる。
「うん、ちゃんと話すよ。一番最初から、ちゃんと」
話さないといけないこと全部。
「あたし、アメリカに行くことになりました」
大雅の驚いた顔、なんかいい気味だ。
今はそんなことどうだっていいんだけど。
「嘘だろ……、なぁ、亜美、嘘だろ?」
颯太の泣きそうな声が亜美の心にザクザク突き刺さる。
「ごめん、嘘じゃない」
こんな時に嘘なんかつかないよ。
あたしは平気で嘘をつけるような大馬鹿者だけど、あんたらには嘘はつきたくない。
「……そんな」
颯太の悲しそうな声は聞きたくないのに、作り出してるのはあたしだ。



