失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




「お願い、陽。ちゃんと話を聞いてほしいの。言わなきゃならないことがたくさんあるの!」


ごめんって謝らなきゃいけないことがいっぱいあるの。


「陽、お前だって後悔してるはずだ。あんなこと言ったってこと」


“もう来るな”


そう言ったことを、後悔してなくてもいい。


「陽が聞かなくても、あたしは1人でここで話すよ。いいの?それでも!あたし一人で話すんだよ!キモチ悪くないの?」


「亜美、今はそこどうでもいい」


ほっといてくれ。


あたしなりの脅しだった。


「……分かった」


嫌そうな顔をしながらも頷いてくれた。


まずは第一段階クリアだ。


次は――



「みんなに、話さなきゃいけないことがあるの」


陽と大翔以外の3人はあたしがアメリカに行くことすら知らないはずだ。


だから、まずはそこからだ。


みんなに怒られるのも、嫌われるのも、覚悟のうちだった。


それくらいの覚悟は、彼らから離れられないと悟ったときから持っていた。