「あたし、その愉快なヤンキーたちのおかげで、アメリカ行こうって思ったの」
あいつらに恥じないように生きていかなきゃいけない。
どうせいつかくる別れだ。
覚悟だってしてた別れだ。
ならばあたしは彼らに誇れるように颯爽と別れたい。
「あっちでたくさん勉強して、将来は最高のサービスを提供できる会社にするんだ」
日本だからとか、外国人だからとか、そんなのどうだっていいって言えるような会社にするんだ。
「それでね、アメリカ行くこと言わないでおこうと思ってのに、陽にバレちゃった」
嘘をつくのは得意だったのに。
「俺たちを信じてないのか!とか言われてね、もう来るなって……いわ、れ……た――」
あぁー、悲しい。
だから涙が出るんだ。
「どうせ行けなくなるの分かってたはずなのに、拒否されたのがすごく怖かった。嫌だった。悲しかった……」
あたしはわがままだ。
大翔に言われて初めて気が付いたことがたくさんあった。
「あたし、陽のこと、好きみたい――――」
だからこそ、陽の言葉の一つ一つが胸に突き刺さって抜けない。



