やっぱり忠告しとくべきだった。
――亜美は俺たちとは違う、と。
「馬鹿なお前に優しく教えてやるよ。俺の最初で最後の優しさだ」
亜美の顔には薄く隈が見える。
それでも化粧でかなり誤魔化してるだろうから、実際はもっとひどいはずだ。
「お前、俺たちのことを何だと思ってんだ?」
「……友達」
「あっそ」
陽は、それだけじゃないんだよ。
「もし、陽が亜美に内緒で亜美のために誰かを殴ったとしたら亜美は嬉しいか?」
「嬉しくないよ。陽にはそんなことしてほしくない」
「それと一緒だ」
亜美の表情が、ハッとしたものに変わった。
「もし、大雅がいじめられてて、それを俺たちは知ってるのに、お前だけ知らなかったら?」
あいつがいじめられるとかありえないけど。
「何で?って思う。そんなに、あたしは信用ないのかな、って」
分かってんじゃん。ちゃんと。
「もし陽が、颯太が、優真が、大雅が、俺が、亜美に内緒でいなくなったりしたら?」
一番聞きたい答え。
「――――悲しい。寂しい。辛い」
陽だって、同じだ。
それを分かれよ。



