さぁ、聞かせてもらおうか。
「何でいきなり来なくなった?」
「忙しいだけ」
確かに、普通の高校生じゃない亜美ならその理由はありえる。
「連絡ぐらいくれたっていいんじゃね?」
「それは……、ごめん」
言わない気だね。
「今日、陽が暴れた」
「え?」
いっきに亜美の顔が曇る。
「どういうこと?」
「まぁ、そういうこと」
「ふざけないで」
と、言われてもねぇ、
「あいつ、何かにイライラしてんだよ」
遠回しに亜美に関係あるんじゃないの?と言ってみる。
「……」
そしたら案の定黙りやがった。
「イライラさせてるのは、多分あたしだ……」
やっぱり。
俺は普通にそう思った。
「どうせだから言っちゃうね。あたしもうすぐアメリカ行くの」
友達の家に遊びに行くの。
そう言うみたいに軽く言った。
これか。
これが、陽のイライラの原因。
でも多分それだけじゃない。
もっと陽をイラつかせる要因があったはずだ。



