「やっほー!!」


あの大翔家乗り込み事件から数日がたった。


亜美は学校が終わったあとすぐに陽達が待つ音楽室にむかった。


「……声でけーよ」


「おはよう!陽!……なんか“よう”っていっぱいだな」


「……まぁな」


やばい、言葉間違えた。


「あ!大翔じゃん!」


「黙れ」


「扱いがひどい」


素早く陽から目を避けると大翔がいたから声をかけたのに、酷い扱いを受けました。


「……でもまぁ、感謝はしてる」


ボソッと聞こえた感謝の言葉。


「――――そっか」


亜美は心から“よかった”と思えた。


考えてみたら、すごく失礼な行為だし、不躾だった。


「コンビニいこっか……」


「シュークリーム買ってこい」


機嫌が悪かったはずの陽はコンビニという単語を聞いただけでルンルンだ。


「はいはい。……今日は俺の奢りだ。お前らも欲しいもんあるか?」


「チョコ」

「コーラ」

「おにぎり」


「はいはい」


陽のシュークリーム、颯太のチョコ、大雅のコーラ、優真君のおにぎり。


再確認した大翔と亜美は二人でコンビニに向かった。