広く、洋風な客間に案内された亜美は、出された紅茶を華麗に飲み、ひたすら緊張を解くことに集中した。
どれくらい待っただろうか。
ドアをノックする音が聞こえてきてすぐ、大翔に似た男の人が入ってきた。
一度会ったことがある。
「お待たせしてしまってすいません」
「いえ、こちらも突然でしたので気にしないでください」
お互いに立ったまま挨拶を交わし、彼の動きにあわせて、ソファーに座りなおす。
「今日はどうされましたか?深瀬さんがいらっしゃったと聞いて、冗談かと思いました」
「本当にすいません。今日は、大翔さんのことでお話があってきました」
「大翔ですか?」
にこやかだった顔が一瞬引きつった。
すぐにもとに戻ったが。
「実は、私かなり前になってしまうんですが、大翔さんと道でたまたまぶつかってしまったことがあるんです」
それを聞いた大翔の兄はびっくりした顔をした。
「それはすいませんでした。少し、ぼーっとするところがある弟ですから……。お怪我はありませんでしたか?」
「いえ、大丈夫です。むしろ私の不注意でしたし」



