次の日、亜美は遠足前の小学生の気分で道を歩いていた。
不安と緊張と期待。
ぐちゃぐちゃに交ざりあって、変な気持ち。
「……むしれ吐いちゃう?」
自分で言ってて気持ち悪い。
うん、気分も体調も。
「独り言とか、自分、気持ち悪いな」
あらためて自分の頭のおかしさに気が付いた亜美は、まわりに誰もいないのを確認してから、足を早めた。
「……どうしましょ」
ドアの前に立ったのはいいけど、亜美は部屋に入りかねていた。
うーん、前にもこんな感じのことが何回かあったような気がする。
ってかいつもあたしが何かしてんじゃない?
この部屋に入りにくくしている理由の原因を作っているのは大抵……いや、いつも亜美だった。
「……さっさと入れ」
「え?!」
突然聞こえた陽の声。
まわりを見渡すが陽はいない。
「とにかく入れ」
「……ぅ、はい」
ちょっと低くなった声が怖くて、亜美は急いで入った。
「……」
「……」
部屋に入れば大翔を除いた全員がいつものポジションに座っていた。
みんなが亜美を見ている。