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もう覚悟は決まっている。
佐伯さんに“早めに帰って来てくれ”と言われたこと、それと瑠伊からあらかたの事情を聞いているだろうという予想。
それから導きだされる考えはただ一つ。
亜美は聞きたがっている。
亜美の母親について聞かれることくらい予想済みなんだろう。
今日はいつもより空気の重い食事となった。
昔から深瀬家の栄養バランスを考えてくれている秋枝さんがお皿を下げたのと同時に佐伯さんが入ってきた。
ナイスタイミング。
「佐伯さんも座ってください。お父さんも瑠伊も」
その言葉で、亜美が本気なのを感じ取ったのか、隆と瑠伊は一度顔を見合わせた後、気まずそうに席に座りなおした。
「分かってるよね?あたしが聞きたいこと」
「それは……」
言い淀むのはあたしのためだってことは分かってる。
あたしを傷つけまいと必死になって、隠そうとしていることくらい分かる。
でも、今はそんなのいらなかった。
今、あたしはどうしても真実が知りたい。
知らなきゃいけない。
そんな気がした。



