瑠伊はため息を吐いた。


「まぁこんなとこだ」


いつの間にかみんな真剣に聞いている。


「亜美が妄想をはじめたのもその頃」


瑠伊が亜美を必要以上に心配するのもこれが原因。


心配でならない。


小さなことが原因で事故のことを思い出したら……と考えるだけでいてもたってもいられない。


「間違ったことかもしれない。でも俺は間違ってるとは思えない」


本当は伝えるべきなのかもしれない。


でも伝えられないのは瑠伊の姉を思う心から。


「この話を聞いても、あんたらは亜美を守るとか言えんのか?」


「……」


さすがの陽の黙る。


――ほらな、こんなもんだ


「だから、亜美にもう近づくな」


「はぁ?」


これて終わり、と思った頃、陽から変な声が漏れた。


「んなもん関係ねぇ。亜美は亜美だ」


「話、聞いてたか?」


「まぁだいたいな」


「だったら――」


そんなこと言えないはずだ。


「だから、俺には関係ねぇ。とりあえず俺だって亜美の悲しい顔は見たくねぇよ。だから、変な事を聞いたことは謝る」


そういって、立ち上がり頭を下げた。