この場所がっていうのもあるかもしれないが、多分ここにいる人が亜美に、居場所を作ってくれているのだろう。
居心地がいいぱずだ。
「おーい、陽、お客さんだぞ」
颯太が窓を開けて、陽を呼んだ。
その1分後。
颯太と陽によって、三度目になる会話を瑠伊は見守った。
「で、何の用?」
真ん中にあるソファにドカッと座った陽。
「はじめに言っとく。これはお願いじゃない、俺個人の意見だ」
その言葉に、陽の眉間に皺が寄る。
「亜美から離れてほしい」
突然の瑠伊の言葉に、颯太も優真も陽も瑠伊を睨む。
まるで品定めするかのように。
「それは無理なお願いだな」
陽の返事はある程度期待していた。
亜美が気に入るほどの人だ。
ここで、はいそうですか、なんて言うような人とここまで仲良くはならないだろう。
「これはお願いじゃない。ただの俺の意見だ」
陽たちが真剣なように、瑠伊も真剣なんだ。
「なぁ、お前らは亜美が好きか?女としてでもそうでなくても」
瑠伊の質問に陽は一瞬言葉につまる。
――悲しい目だ
瑠伊の目は泣きそうだった。



