特に緊張することもなく、瑠伊が部屋に入ると、そこには一人しかいなかった。
「誰だ?テメェ」
その時部屋にいたのは颯太。
「人に名前を聞くときは自分から……って言いたいが今は俺が客だから名乗ってやる。瑠伊だ。覚えとけ」
「……は?ってかその顔、亜美にそっくり……」
「まぁ双子だからな」
瑠伊の答えに、颯太はびっくりした顔をみせた。
「あー、どうりで似てるわけだ」
聞いたことがあった……ような気がする。弟がいるって。
弟って双子かよ!
「で、双子の弟が俺に何の用かな?」
「お前じゃない。お前“たち”に用があるんだ」
そう、俺はお前たちに用があるんだ。
「そうか、たが残念なことに今は俺しかいない。陽は優真とコンビニいったから戻ってくるけど、大翔と大雅は家に帰っちゃったからね」
もう瑠伊に興味が無いのか持っていた雑誌を読みながら教えてくれた。
「俺は確かにお前たちにといったが、まぁ一番は陽ってやつだからそいつがいればいい」
陽がいれば、陽に話ができればそれでいいんだ。



