瑠伊が向う先はただ1つ。
陽のいるところ。
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――――ここがあいつらがいる場所
亜美が好きなばしょ。
きっと陽というやつは俺の顔を見て気が付くだろう。
陽というやつがいる場所は分からない。
けれど、瑠伊は迷いなく進む。
なんとなくこっちだと思ったのだ。
――匂い?って俺は犬か?
そんなことはどうでもいいんだけど。
そしてたどり着いたのは落書きだらけの音楽室。
ここだ。
ってかここだろ。
『陽がいます』
って書いてあるんだし。
え?あほなの?
ヤンキーってこんなに自己主張強いの?
トントン
乾いた音が響く。
中から返事はない。
でもそんなことどうでもいい。
――入りまーす
心の中で“お邪魔します”と唱えて、瑠伊は音楽室に入った。



