この振る舞いの差が、財力の差とでも言わんばかりに、金井武は微笑む。


「多分知らないだろうから言っとくよ。俺と亜美は婚約者だから」





いきなり、何の前触れもなく結構スパーと金井武は暴露した。


そしてこれにはさすがの大翔も驚いた。


「……説明しろ」


陽の言葉に一瞬もひるむことなく、金井は説明をはじめた。


「そのまんまだよ。俺たちは幼なじみなんだ。まぁ紆余曲折あって、婚約者になったわけ」


……省きすぎだ。


もはや意味がわからん。


「紆余曲折ってなんだ?」

そこかー!?


陽、こんなときに質問すんなよ。


「んー、いろいろとかそんな感じかな」


答えてくれるって、案外優しいんですね。


「来年、正式に発表する予定だ」


ニコニコと、よそ行きだなんて思わせない笑顔。


「で、あんたは何を言いに来たんだ?」


ようやく、陽がまともなことを言った。


「君たちに、亜美から離れてって言いに」


思った通りとんでもないことに巻き込だな。


よりによって金井武。
しかも原因がいないこの状況。まぁもちろんいないから来たのだろうけど。